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今回のお外でお菓子は、芸術の秋にちなんでアートなお菓子の紹介です。
ひとつは型抜きした生地を張り合わせて作る絵合わせクッキー。違う種類のクッキー生地を用意し、それぞれ同じ型でくり抜いて、違う生地同士にはめ込みます。すると、模様のあるクッキーの出来上がりです。いろいろな型で抜いて芸術的な絵に挑戦。
もうひとつはじっくりと時間をかけて木の年輪模様を作るバウムクーヘン。バウムクーヘンは、生地の表層を丹念に1枚1枚焼き、時間をかけて生地の層を作ります。何層にもなった木の年輪の出来上がりは、まさにアート。
紅葉が広がる秋の山で作ればムードも満点、言うことなし。大人も子供たちも一緒にワイワイと楽しめるお菓子です。 |
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絵合わせクッキーを作るにあたってのビギナー編です。慣れないお菓子作りを野外でするのは、何より難しい作業です。そこでここではビギナー編として、絵合わせクッキー作りの極意を紹介します。まず最初にプレーン生地から作ります。プレーン生地は基本の粉とバター、砂糖でいったん生地を作り、生地がまとまらないようなら、少しずつ卵を加えて固さを調整します。外という環境は気温や材料の温度が一定にならないので、できる生地も安定しません。ですからまず、3つの材料を練り込んで生地を作り、必要なら卵で固さを調整し、のせる程度の固さにします。こうすると失敗なくプレーン生地を作ることができます。次に、このプレーン生地をいくつかに分割し、色付けします。茶色ならココア、緑なら抹茶です。色付けでの注意は、一度にココアや抹茶を加えると、苦くて食べられないものになることがあります。ほんの少しで色付きますから、まず少し足して練り、色具合を見ながら再び足します。分量としては、粉の全量の10%以下を目安に加えてください。粉100gなら10g以下です。色付けの材料は、この他、コーヒーや果物、野菜のエキスなどさまざまな色付けができます。色のバリエーションがあれば、それだけ絵合わせも楽しめます。また、市販のチョコスプレーや絞りチョコなどで仕上げると一層面白いアートクッキーになります。
絵合わせのテーマに沿って、いろいろな型を用意しておくと便利です。最近はオーソドックスな丸や三角、星のほかにも、動物や小物、人形など楽しい型が売られています。 |
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バウムクーヘンは、ドイツの地方どこでも作られていて、作り方や売り方もさまざまです。クッキーやチョコレートと同様、贈答用やクリスマスケーキにもされます。バウムクーヘンは、その配合や焼き方がかなり難しく、きれいなバウムクーヘンを作ろうとするのは大変です。ドイツでも年季の入った職人、マイスターでなければ、一人前のバウムクーヘンはなかなかできません。ですから、腕自慢のスペシャリティにもなっていて、とくに特別な日やイベントに大型のバウムクーヘンがディスプレイされます。
バウムクーヘンは輪切りで売られていますが、たいていは一番上の表面にチョコレートや砂糖のアイシングがかけられています。また、小さなブロックに切り分けたり、円形のケーキに焼き上げられて売られることもあります。円形のケーキにする場合、通常のバウムクーヘンと同様、円形に何層も焼き、上面にアイシングや砂糖漬けのフルーツ、マジパンなどで飾り付けされます。ほかにも生ケーキ、プチ・フール・グラッセ、チョコレート菓子の台やマジパン人形の胴体にもされ、ドイツでは広範囲に使われます。
なお、ドイツのマイスターは、英語のマスター、直訳で親方、現在の日本で言えばシェフ・パティシェにあたります。ドイツのマイスター制度は、厳格に国家制度として成立していて、マイスターの試験に合格しないとマイスターとは呼ばれません。 |
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