フェーブとは本来、フランスでは1月最初の日曜日、日本ではお正月時期に食べるガレット・デ・ロワ(GALETTE
DES ROIS)というお菓子に入れられる小さな陶器のことをそう呼びます。
ガレット・デ・ロワとは、王様のお菓子という意味。フランスで古くから愛されてきたとてもシンプルでおいしい伝統菓子です。パイの中にアーモンドクリームが入っていて、そのクリームの中にひとつだけフェーブと呼ばれる小さな陶器が入れられます。ガレットを切り分けたときに、それが当たった人は王冠をかぶり、その日は王様になり、その年1年は良いことがあると言われています。
フェーブはフランス語でそら豆という意味です。フェーブをお菓子に入れる伝統は11世紀にさかのぼるとされ、当時ある地方の教会での後継者選びの際、パンに金貨を隠して切り分け、それが当たった人が後継者に選ばれたといわれています。この風習が一般に広まり、当時はそら豆を入れて祝ったそうです。現在フランスでは、陶器のものが主流で、形も宗教的な意味合いもなくなり、カラフルでさまざまな形のフェーブが売られています。ケーキ店でも毎年違ったオリジナルのものを作っているところもあります。日本でも最近、ガレット・デ・ロワに人気が出始め、一般にフェーブが知られるようになりました。 |