■豪華なクリスマスのお菓子
焼き菓子・バターケーキは、日本ではローフ型で焼くのが一般的です。ヨーロッパでは、かなりの型があり、イベントによって大きさや形を変えたりします。ここでは、伝統的に焼き菓子を積み重ねて作るお祝い用ケーキやリングケーキ、あるいは、最近の流行のアシエット・ド・デセール(フランス語でデザートの皿の意)といわれる皿盛りの華麗なデザートを作ってみました。豪華といえば、やはり高さがあったり、センス良く盛りつけられたお菓子です。クリスマスは年に一度のイベント、ここは一つ大胆に組み立ててみることをおすすめします。
<注意・温冷について>
通常は、温かいものは温かく、冷たいのものはあくまで冷たくして食べるのが常識ですが、お菓子の世界には熱いものに冷たいものを添えて食べることがあります。例えば、冷たいアイスクリームに熱いエスプレッソをかけて食べる方法がこれにあたります。またちょっとニュアンスが違いますが、イベント用としてびっくりオムレツといわれるノルウェー風、アラスカ風のデザートもあります。このデザートはアイスクリームをメレンゲで覆い、バーナーなどで表面に焼き色をつけておきます。食べる人は、表面の焼き色を見て、温かいデザートを想像して口に入れてみたら、冷たくてびっくりというもの。他にもこのメレンゲをボルケイノ(火山)に見立て、頂上を火口にしてブランディを入れて、火をつけることもあります。
■3つのレシピ
簡単レシピ(トラディショナル・ワールド・レシピ)は、カトル・カール、ベイシックフルーツケイク、ガトー・ノワールの3種類です。
どれもバターケーキレシピの基本中の基本ですが、作りやすさで人気のあるレシピを前提にしています。誰でも簡単にできる焼き菓子です。カトル・カールやベイシックフルーツケイクなど、伝統的なイベントケーキはこのレシピで作られます。
トップでもご紹介しましたが、ドゥミ・セックとは、フランス語で半分乾いたお菓子を意味します。つまり半分生のお菓子ということで、干菓子と完全に分けられます。一方、スポンジの世界はこの分野に立脚していて、重いスポンジ生地の始まりは、半生菓子からで、しだいに軽い、つまりバター分が少なく、卵分が多い生地になっていきます。
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